中間管理職の辛さ

猪飼智弘

2017/11/22

こんにちは、猪飼です。
中間管理職という立場は、辛いポジションだという話をよく聞きます。

中間管理職というのは、上(上司)からの圧力はもちろんですが、自分よりも立場が下の部下でさえ、思うように動いてもらえない事がよくある様です。

今日の体験は、某販売メーカーに勤める44歳のお話です。
 

男性 44歳
販売業

私は、40代の男性サラリーマンです。
現在、1000名程度の従業員が在籍している某メーカーの総務部に勤務しています。

総務と言えば、何でもやる部署という印象があると思いますが、私の会社では、人事や庶務も兼ねています。
従って、人に関する事を担う部署だと考えて貰えばいいと思います。

例えば、社員の採用が、代表的なものとして挙げられます。
しかしながら、私の会社もご多分に漏れず、人が多く流出していく上、新しい方を中々採用できないような厳しい状況が続いています。

特に入社して3年未満の社員の流出が止まらないのが現在の悩みの種です。
こういった若い人が辞めていくのは、私たち総務の立場からしたら、職場にも問題があると考えるのですが、会社や上司は、総務が定期的にフォローしないからだと言います。

そこで、彼らの悩みの種を事前に掴んでいれば、離職を食い止める事ができるのだという理論です。
勿論、これが100%間違いだとは思わないですが、やはり、毎日顔を合わすような同じ職場の人間しか、その人間の不満や心境の変化はキャッチできないと思います。

しかし、上司は、会社のこの話を鵜呑みにして、急にフォローに力を入れるよう指示をし、形だけの若年者フォローに課員全員を巻き込んで手を取らせる事で、結局、離職率低下も防げず、目の前の欠員補充業務が以前に増して停滞するという状況をまねきました。
この上司に限らず、会社内には、自分の立場を守ろうとして、会社に言われた事に対して、その主旨を理解せず、只々、言われた通りにする人間が非常に多いと思います。

勿論、私の会社だけかもしれませんが、こういった何も考えず、言われた事をそのまま下の人間にやらせる上司が会社をおかしくすると思います。
下で働いている人間は、会社の実情も実務もよく知っているわけですから、意味のない事をやらされる事にやる気を感じる事ができず、理不尽さを感じ、それが溜まって、会社を辞めるという決断をするのかもしれません。

今の世の中で企業として成長し、生き残っていこうと思えば、若い人を育成するのも大切ですが、その人たちの上に立つ上司に関して、知識・見識のある人物を据える事が重要だと重います。

今の若い人は、昔に比べ、はるかにドライであり、自分にとってメリットがあるかないか、成長できるのかできないのかを客観的に見極め、ダメだと判断したら、愛社精神など関係なく他企業に転職していきます。
会社としては、下の人たちが納得できるような人材を上司に据えなければ、必然として会社は衰退していくと感じています。

また、若い人に関しても、勿論、今の世間の状況は恵まれているはずなのに、
「ダメなら自分に合った会社に転職するからいいや」という気持ちで仕事をする事は望ましくないと思います。

こういった気持ちを持った方は、ごく少数だと思いますが、これは自身に逃げ道を作っているだけであり、最終的には、逃げ道をなくして本気で取り組まないと立派な社会人・サラリーマンにはなれないと思います。
その為には、仮に間違った会社に入社したと思っても、そこで得られるものをできる限り吸収した上で辞めてやるんだという気概がないと、いくら素晴らしい企業に転職したとしても失敗すると思います。

ですから、やはり、どんな企業に入ったとしても、まずは、吸収できるものをしっかりと吸収し、どこでもやっていける自分自身を作るというのが若い人にとって大切だと思います。

メリットが無ければ、辞めてしまうのは当たり前

若手が辞めていく企業はかなり増えてきていますが、辞めていく側にも必ず理由があるはずです。

仕事が辛いわけでなく、人間関係が良好ならば、普通の人は辞めませんよね。

そもそも、会社(組織)に入ったからと言って、立派な社会人やサラリーマンになる必要などは無いわけで、各々が自分の意思で仕事を取捨選択できるのが、資本主義なのです。

労働者側から見ると、会社が自分にとってメリットがあるから働く。メリットが無いから働かない。

これだけの事だと思います。

また、会社側からすれば、会社に利益を残してもらえる人材だけを残して、それ以外の人は必要が無いと思っている可能性だってあるわけです。

つまり、雇用側と労働者側の思惑はそれぞれ違うわけなので、やる気の無い社員を無理に引き止めたところで生産性は上がらないだけです。

それよりも、いかに優秀な人材に長く働いてもらうか。

優秀な人材を常に確保できる体制を整えておくかを考えた方が、長期的な視点では生産性の向上と、社員のモチベーションにも繋がるはずです。

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