職場の良し悪しは上司次第 猪飼智弘 2017/11/23 サラリーマン体験談 男性28歳IT業 私は新卒でIT企業の営業職に就職しました。就職先は、メディアでも取り上げられたことのある先進的な働き方を目指す企業でした。 どの部署も社員は定時あがりの人がほとんどで、休日出勤も年に数回の研修以外まったくありませんでした。 規模はそれほど大きくない会社でしたが、良い職場に巡り会えたと、一安心していました。 しかし、安心したのもつかの間、研修が終わり営業のいち部門に配属された途端、ホワイト企業ライフは終わりを迎えました。 配属された部門の課長は、会社の中でも有名な「ブラック上司」だったのです。 大企業であれば、コーポレート・ガバナンスなる言葉の元、粛清されてしまうような上司でしたが、中小企業の我が社にはそんな魔法のような言葉は通用せず、上司の裁量のままブラックな働き方がまかり通っていたのです。 研修期間中は、9時出社・定時帰りが当たり前となっていましたが、配属された途端、上司から「みんな早く来て頑張ってるよ」と声がかかりました。 「早く出てこい」と言わないところがいやらしいところです。 部署の先輩は8時には出社していたため、新人の私は、7時45分には会社についているようにしました。 また、振られる仕事量も膨大で、その部署の社員だけ、皆早くて22時退社、遅くて終電という働き方をしていました。 そのうえ、上司は、仕事を家に持ち帰る人で、退社後も深夜2時ごろまで、電話やメールで仕事の指示が飛んでくる有様でした。 まさに24時間気の抜けない有様でしたが、「石のうえにも3年」という思いで、耐え忍ぶ日々が続きました。 そのまま3年間が経ち、怖いもので、24時間営業のブラック具合にもすっかり慣れてしまっていました。 しかし、状況はますます悪くなる一方で、同じ部門の社員は疲弊し、病気退職したり、異動願いを出したりしてどんどん人数が減ってゆきました。 人数が減っても仕事は減らず、毎日終電帰りで家に帰っても深夜2時ごろまで仕事をするということが続きました。 そんな状況に嫌気がさしたのか、ある日人事から、匿名で所属部署に関する内部告発があったと上司を覗いた部署の社員宛にメールが入ったのです。 部署の社員は順番に人事に呼ばれ、仕事の状況をヒアリングされました。皆、ブラック具合に慣れていましたが、どこかに違和感を覚えていたのは同じのようで、次々に上司のブラックなマネジメントが明るみにされてゆきました。 実態を把握した人事は事態を重く見て、役員会へ報告、役員から呼び出しをくらった上司は、そのまま辞表を出して退職してゆきました。 その後、違う上司の元に配属され、同じ会社でしばらく勤務を続けましたが、職場は、ブラックな日常が嘘のようにホワイトで、同じ会社で働いていると思えないほどでした。 早出も強制されなくなり、残業もなし、深夜の突然の仕事の指示ももちろんありません。自分の成績も部署の業績もあがっていきました。 一般的には、企業全体の働き方を指して「ブラック企業」と言われることが多いですが、私にとっての脅威は「ブラック企業」ではなく「ブラック上司」だったのです。 上司を選ぶことは限りなく難しく、もはや「運ゲー」ですが、「ブラック上司」に巡り合ってしまった際は、まず周りに助けを乞うことが吉ということぐらいでしょうか。 システムエンジニアの仕事で 仕組みを構築する事のメリットとは
IT業
私は新卒でIT企業の営業職に就職しました。就職先は、メディアでも取り上げられたことのある先進的な働き方を目指す企業でした。
どの部署も社員は定時あがりの人がほとんどで、休日出勤も年に数回の研修以外まったくありませんでした。
規模はそれほど大きくない会社でしたが、良い職場に巡り会えたと、一安心していました。
しかし、安心したのもつかの間、研修が終わり営業のいち部門に配属された途端、ホワイト企業ライフは終わりを迎えました。
配属された部門の課長は、会社の中でも有名な「ブラック上司」だったのです。
大企業であれば、コーポレート・ガバナンスなる言葉の元、粛清されてしまうような上司でしたが、中小企業の我が社にはそんな魔法のような言葉は通用せず、上司の裁量のままブラックな働き方がまかり通っていたのです。
研修期間中は、9時出社・定時帰りが当たり前となっていましたが、配属された途端、上司から「みんな早く来て頑張ってるよ」と声がかかりました。
「早く出てこい」と言わないところがいやらしいところです。
部署の先輩は8時には出社していたため、新人の私は、7時45分には会社についているようにしました。
また、振られる仕事量も膨大で、その部署の社員だけ、皆早くて22時退社、遅くて終電という働き方をしていました。
そのうえ、上司は、仕事を家に持ち帰る人で、退社後も深夜2時ごろまで、電話やメールで仕事の指示が飛んでくる有様でした。
まさに24時間気の抜けない有様でしたが、「石のうえにも3年」という思いで、耐え忍ぶ日々が続きました。
そのまま3年間が経ち、怖いもので、24時間営業のブラック具合にもすっかり慣れてしまっていました。
しかし、状況はますます悪くなる一方で、同じ部門の社員は疲弊し、病気退職したり、異動願いを出したりしてどんどん人数が減ってゆきました。
人数が減っても仕事は減らず、毎日終電帰りで家に帰っても深夜2時ごろまで仕事をするということが続きました。
そんな状況に嫌気がさしたのか、ある日人事から、匿名で所属部署に関する内部告発があったと上司を覗いた部署の社員宛にメールが入ったのです。
部署の社員は順番に人事に呼ばれ、仕事の状況をヒアリングされました。皆、ブラック具合に慣れていましたが、どこかに違和感を覚えていたのは同じのようで、次々に上司のブラックなマネジメントが明るみにされてゆきました。
実態を把握した人事は事態を重く見て、役員会へ報告、役員から呼び出しをくらった上司は、そのまま辞表を出して退職してゆきました。
その後、違う上司の元に配属され、同じ会社でしばらく勤務を続けましたが、職場は、ブラックな日常が嘘のようにホワイトで、同じ会社で働いていると思えないほどでした。
早出も強制されなくなり、残業もなし、深夜の突然の仕事の指示ももちろんありません。自分の成績も部署の業績もあがっていきました。
一般的には、企業全体の働き方を指して「ブラック企業」と言われることが多いですが、私にとっての脅威は「ブラック企業」ではなく「ブラック上司」だったのです。
上司を選ぶことは限りなく難しく、もはや「運ゲー」ですが、「ブラック上司」に巡り合ってしまった際は、まず周りに助けを乞うことが吉ということぐらいでしょうか。