これからの時代を<span>どう生きるか</span>
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店舗ビジネスを始めてあっさり潰れた話
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こんにちは、猪飼です。
いつもインターネットビジネスの話が多い私ですが、
今日は「粉物ビジネス」についてお話しようと思います。
粉物ビジネスというのは、
お好み焼き、ラーメン、クレープなど、粉物で商売をする飲食店を主に指します。
粉物屋は儲かるとよく言いますが、実際はどうなのでしょうか?
私が20代の頃一緒に働いていた先輩が、
去年「クレープ屋をやる」と言い始めました。
その先輩は、数年前から飲食店経営をしていたのですが、
新しくビジネスをやりたいと思っていたところに、
友人からクレープ屋をやらないかと勧められたのです。
その友人もそれまでクレープ屋をやっており、
クレープ屋に必要な初期設備を安く譲ると言われたそうです。
私はそれを聞いた瞬間、やめたほうがいいと思いました。
私も20代の頃はカラオケバーなど飲食店で働いたことが多かったので、
飲食業界がいかに競争が激しいかよく知っていたからです。
毎年、何百もの飲食店が新規オープンして、ほとんどが1年と持たずに店をたたみます。
何の計画もなく始めて、うまく行くとは思えませんでした。
しかも、先輩は結婚していて子供が2人います。
あまりにもリスクが高すぎです。
私もかなり強く止めたつもりだったのですが、
「近くに学校がいくつもあって、とにかく立地がいい」
「とりあえず友達が儲かったと言ってるからやってみる」
と言ってやる気満々です。
私が話を聞いた時には、すでにクレープを焼く練習をしたり、
必要な投資をして、もう後には引けない様子がひしひしと伝わってきました。
色々と動き出してしまったため、
今さら辞められない思いがあったのかもしれません。
ですが、クレープ屋という商売は、
クレープを1枚焼いて400円とか500円の世界です。
1枚注文を受けたら、
クレープを焼いて、トッピングして、レジ打って、お釣りを渡して、
持ち帰り用の袋に入れて…、これだけの作業をこなして400円〜500円です。
それでも、毎月仕入れや固定費などの支払いは、
待ったなしでやってきます。
お店を続けていくためには、毎日いくら売り上げないといけないでしょうか?
店舗の家賃などの支払いも考えると、
最低でも日商で4万円〜5万円は必要です。
枚数換算すれば、1日100枚以上売り続けなければいけません。
たった一人で日に100枚もクレープを売るのは相当難しいです。
結局、先輩は私の制止を振り切ってクレープ屋を始めたのですが、
たまに様子を見にいっても、ほとんどお客さんを見かけません。
会うたびに、
「いやー、厳しいよ」と言います。
そんな先輩のスケジュールですが、
朝8時に仕事を始めて、仕込みなど開店準備をはじめます。
そして、仕事が終わるのがだいたい夜8時ごろです。
1日12時間以上の労働を毎日していました。
暇なだけあって、お店の裏でブラブラしている時間も長そうなので、
体力的にはそこまで辛くなかったかもしれません。
ですが、利益がでなければ商売は続きません。
子供2人と奥さんを合わせた4人家族の生活は、
共働きの奥さんの稼ぎでなんとか支えられていましたが、
朝から晩までクレープ屋で働いて、先輩の稼ぎはほぼ0円です。
最後は奥さんが怒り、
9ヶ月目でお店を畳んでしまいました。
結局、その先輩には、
私がインターネットでサイト運営をするやり方を1から教え、
安定収益源となっていたサイトの1つを譲りました。(もちろん売却です)
今はそのサイト運営から収入を得つつ、再就職活動をしているみたいです。
私も実際のところはわかりませんが、
恐らく先輩は、友人の口車に乗せられたのでしょう。
そもそも本当に儲かっているのなら、
その友人がクレープ屋を譲るはずもないのです。
「儲かる」というビジネスの話を聞いたら、
必ず裏をとる必要があるということですね。
その友人がやっているクレープ屋をしっかりと下見しておけば、
こんなことには、ならなかったかもしれません。
粉物屋の原価率が低いのは、確かに事実です。
一般的に飲食業界の原価率というと、
回転すし50% 焼肉40% らーめん35% 居酒屋30%
フレンチ、イタリアンは30%〜40%程度と言われます。
粉物屋ビジネスは、お好み焼き、たこ焼きで25%程度と言われるので、
原価率は低いかもしれません。
しかし、原価率が低いと言っても、他の飲食業と比べると低いというくらいで、
売れなければビジネスとしては成立しないのです。
飲食店はとにかく、競争が激しいです。
「美味しい」「立地が良い」というだけで儲かる時代でもありません。
お客さんにとって今の時代、美味しいのは当たり前なのです。
美味しい以外にプラスαがなければ、お店は生き残れません。
・奇抜で話題性のあるメニュー
・「インタスタ映え」などネットユーザーを意識したエンタメ要素
・お店コンセプトに沿った接客スタイルの徹底
この様に、他とは違う何かがないと、ビジネスとしては成立しづらいです。
安定的に続けるには、工夫やセンスが必要になる場合もあります。
もし、あなたの身近に飲食店で成功している人がいたら、
他とは違う何かがあるかもしれません。
もしそんな人がいたら、
「他のお店と何が違うのか?」を考えてみてください。
P.S.
ちなみに、
様々な企業の粗利率はこんな感じです。
粗利というのは、「売上-仕入原価」の差額の儲けです。
粗利益率は「粗利益÷売上」で計算した粗利益の割合のことです。
企業名(通称) 粗利率
キリン 40.7%
武田薬品 76.7%
三菱重工 11.9%
日立製作所 21.9%
松下電器 30.8%
村田製作所 39.7%
キャノン 48.5%
任天堂 42.2%
セブン&アイ 27.6%
ユニクロ 47.3%
三越 27.3%
ブックオフ 65.4%
ヤマダ電気 22.2%
マクドナルド 12.8%
カッパ寿司 60.5%
ハイディ日高(ラーメンチェーン) 73.0%
ヤフー 92.6%
粉物屋の1つであるハイディ日高は確かに粗利率が高いですね。
しかし、それ以上なのは、ヤフーの92.6%。
インターネットビジネスは、原価がほとんどかからない分、粗利率が非常に高いのです。
副業としてやるだけなら、粗利率は95%〜99%以上はいくでしょう。
(パソコンを使うので電気代や通信費を差し引くと考えます)
これからの時代、いきなり店舗ビジネスを始めるのではなく、
まずインターネットビジネスからやってみて、
準備資金や運転資金を作ってからでも良いのではないかなと思います。