パワハラは耐えるべきなのか?

猪飼智弘

2018/02/08

先日、もう何年も会っていなかった友人と久々に飲むことができました。
一通り思い出話が終わると「あーあ、会社行きたくねー」と言います。

夏休み明けに学校へ行くのを嫌がる小学生のようだと思っていましたが…
詳しく話を聞くうちに深刻な気持ちになりました。

友人は、会社にソリの合わない上司がいるようで、
いわゆるパワハラを受けているようなのです。

「お前はバカなのか?」「クビになりたいのか?」
と同僚や部下全員の前で罵倒されたり、終電ギリギリの帰宅間際に大量の仕事を押し付けられ、結局タクシーで帰宅したり。

飲み会では「罰ゲーム」といって、苦手な酒を次々に飲まされ、
女性アイドルの歌を無理やり歌わされたりするそうです。

友人は、もともと真面目で繊細な性格なので、かなり弱っていましたが、
「いや、これくらいのことで上司と問題起こすわけにもいかないし…」
と言っていました。

彼の勤める会社は「体育会系」として有名な企業で、
“これくらいのこと”で文句を言えるような社風ではないようです。

可哀想だなと思っても私にできることはありません。
実際、会社に依存せず収入を得る仕組みを持たない人は、
彼と同じ目にあっても、ただ耐えるしかないでしょう。

私なら速攻で辞表を提出するレベルですが、
こういうことが黙認されている会社はまだまだ多いようです。

私は、パワハラやセクハラなど異常行為の源の1つは、
終身雇用と年功序列、そして愛社精神だと思います。

昭和初期から日本で急速に広まった終身雇用と年功序列のもとでは、
余程のことがない限り、全ての社員が定年までクビにならず、上にいく程高い給料を受け取り続け、企業にとっては非常に大きなコストになります。

この仕組みを支える為に、給料が安くても体力は一番持っている若手社員をとにかく働かせるのです。

その為には、新卒で入社した段階から徹底的に上の言うことを聞く会社の部品としての精神を叩き込まなければいけません。だから、新人研修では、よくある体育会系のシゴキのようなことが行われることも多かったのです。

例えば、有りえないほどの酒を飲ませるとか。
「その店にある酒がなくなるまで飲まされた」
「酔っ払って先輩のお酌をし忘れたら殴られた」
なんて話も聞いたことがあります。

会社によっては、「精神を鍛える!」と言って、過酷な山登りをさせたり、滝行をさせたり…そんな会社まであったのです。
話だけ聞くと笑ってしまいますが、実際やらされたら大変だと思います。

冷静に考えれば、会社の仕事との合理的な関係性なんて全くありませんが、
「愛社精神を培う」「集団で働くことの意味を叩き込む」とか言って正当化され
てしまうのです。

本来、社員と会社の関係というのは、「仕事を行う者」と「その引き換えに給料を支払う者」の契約関係でしかないはずです。

そこに、日本独特の「愛社精神」という曖昧なものが入り込むと、
常識的、理性的に考えたら許されないようなことが、正当化されてしまいます。

今は、マスコミや社会もイジメ、パワハラ、セクハラに厳しくなり、
昭和の頃よりは、だいぶ減ったとは思いますが、
今でもこういう企業はたくさんあるでしょう。

大手企業の新入歓迎会で吐くまで飲まさられるなんて話はよく聞きます。
それが、「この会社の伝統」のように言われている会社もあるのです。

これだって本人が望んでいなければ、パワハラです。
(望んでいる人なんてほぼいないと思いますが…)
新入社員が女子社員なら、セクハラですね。

「吐くまで飲ませる」新入社員歓迎会を“伝統”というのだから、
日常的なパワハラ、セクハラを黙認する企業文化や雰囲気があったとしても、
全く不思議ではないですよね。

現実的に、パワハラ、セクハラが全くないという会社の方が少ないのではないでしょうか。

つい最近も日本最大の広告代理店で、パワハラと過労を苦にした社員の自殺者がでました。
広告業界を目指す多くの学生の“憧れの企業”でも、こんなことが行われているのです。

そもそも子供達が通う学校だってイジメ問題に悩むくらい、
一定数の人間が集まるとそういう問題が起きがちなのです。

上司と部下という上下関係、権力関係がある会社環境に、
不合理なシゴキも正当化してしまう「愛社精神」が加われば、
パワハラ、セクハラの温床になるのは当然かもしれません。

話は逸れますが「体育会系」の会社ってそもそも何なのでしょうね。
運動するのが仕事というのならわかりますが(笑)

まあそんな会社はないでしょう。

よく「体育会系」と言われる企業で行われる異常な行為の多くは、パワハラ。
「体育会系」なんて意味不明なことをいう会社は、
簡単に言えば、ブラック企業ということです。

最近はブラック企業、時間外労働、パワハラ、セクハラへの世間的な風当たりが強くなっていても、そういうニュースってなくならないですよね。

社会全体の意識や会社で働いている人達が、
「一人一人の意志を尊重し、理不尽なことは理不尽だと言える」ように、
根本的に変わらない限り、パワハラ、セクハラはなくならないかもしれません。

「私はパワハラにもセクハラにもあったことはない!」
と言う方ももちろんいるとは思います。

でも、私からすれば、
「有給がとれない」「休みがない」「朝から晩まで働いて年収が数百万円」
なんて状態が、すでにパワハラ状態です。

サラリーマンの友人と会って一番よく聞く愚痴は、「休みがない」「お金がない」のセットですが、
休む暇もない程働かされて、不安なく暮らせるお金もないこと自体がパワハラなのです。

少なくとも、インターネットビジネスで収入を得ている私からすれば、そう見えます。

会社や社会が変わるのを待っていたら、いつになるかわかりません。
そもそも、会社に依存せず収入を生み出す力や仕組みを持っていれば、
理不尽なパワハラ、セクハラに耐える必要なんてないのです。

耐えられないほど理不尽なことがあれば、
躊躇なく会社を辞めることができます。

会社を辞めても困らない自信があれば、上司や会社の反感を恐れずに、パワハラやセクハラと徹底的に戦うことができるので、多くのサラリーマンのように泣き寝入りすることもないでしょう。

あなたも今から「会社に頼らず収入を発生させる仕組み」を作りはじめても損はありません。インターネットビジネスは、副業から初めて数ヶ月ー1年程度で本業の収入を超えるひとなんてたくさんいます。

会社員である限り、いつパワハラ、セクハラに合うかはわからないのですから。

P.S.
会社員が自由に生きていく為には、今後どのような考えが必要で、どう立ち回るのが最良なのか。
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私自身が受けたた、パワハラとも言える過酷な20代の経験をもとに、赤裸々に執筆をしています。
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