個人ノルマ達成が不安なサラリーマン生活

猪飼智弘

2017/11/21

男性29歳
小売業

サラリーマンをしていて辛いと感じることは、毎月の個人ノルマに対するものです。
サラリーマンは常にノルマとの闘いであり、その一方で売り上げや成績に関係のない雑務もこなさなければいけない仕事です。

だからこそ、本来やらなければいけない販売に集中したい気持ちがあるにも関わらず、先輩や上司から指示をされて行う雑務というのはとてもストレスに感じるものです。

誰だって会社に貢献したいという気持ちを持ち合わせているわけで、なおかつ自分が入社前に大切にしてた「この会社で実現したいこと」というものを持って入社をしてきているわけです。
しかし、現実には達成できる毎月不安を抱えながらも、お客様の前では笑顔で不安なんてなにも感じさせないようなプロの営業スタイルを貫いて日々仕事に励んでいるのです。

私が所属していた小売業は、アパレル関係の会社でした。
毎月の会議では、販売成績を貼り出されて会議に参加している10数名の前で1か月の業務を振り返っての反省会と、今月の販売強化商品の打ち合わせをおこなっています。
この会議でサラリーマンとして一番つらいのはノルマを達成できずに参加した時の会議です。
会議では、成績の良い人は上司から当てられることもなく涼しい顔をして会議に参加することができますが、一方でノルマが未達になった人はというと「なぜ達成できなかったのか?」ということを自分の口から何か考えがでるまでじっと待たせるということが恒例になっていました。

2カ月連続で未達におわると上司の怒りはエスカレートしますし、「仕事が向いてないんじゃないか?」など厳しい言葉を浴びることも多々あります。
一生懸命やってダメだったではすまない環境だったアパレル会社では、とにかく数字が評価を大きく左右するだけでなく、仕事をしている中で生きた心地を感じるためにも絶対に未達では終われないのが数字でした。

入社してからは、おかげでどんどん数字が嫌いになっていきましたし、店舗によっては売上が全然ないところもあるので、店舗間の格差は広がるばかりでお客様がそもそも来店されないお店で売り上げどうこうというのは問題外の話に感じていました。
上司からすれば自分たちでお客様を呼ぶための努力をしたのか?など重箱の隅をつつくような指摘をされるばかりで、会議に参加しているだけでイライラとするような居心地の悪い日々でした。

そんな私も気づけば入社をしてから7年目を迎えています。
後輩もでき、自分だけ数字をおいかけて仕事に取り組むということだけではなく、後輩の育成にも携わらなければいけない状況になっていました。

しかし、教育係をしているからと言ってノルマが下がるわけではありません。
教育のために本来の営業時間を後輩に費やした中で、隙を見つけては販売を行い、ノルマの達成に向けて取り組むという状況でした。気の休まる時間もなく毎日が胃の痛い日々でした。

数字も大事、後輩の育成にも力を注がなければいけない、そんな板挟みの状況にいるのがサラリーマンというしての宿命であり、会社が存続していくためにはうまく駆け回っていくしかないという状況です。
サラリーマンは上司だけでなく部下からも挟まれて年々辛さが増す職業だと感じています。

仕事を楽しいと思えたのは入社して半年の間ぐらいだったなと振り返れば思い出します。
仕事を楽しいと思える日々がまた取り戻せるように仕事に支配されずに自分が仕事を支配して活躍できればいいなと試行錯誤を繰り返し業務に取り組んでいます。

サラリーマンは会社の歯車であるのはどの会社でも同じであり、替えはいくらでもいる環境なのでいつ給料が下がり、仕事がなくなるか不安な気持ちも抱えながら自分のやるべきことを自己判断して進めています。

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